遺言について

遺言の方式

遺言者自ら全文、日付、氏名を自書し、押印して作成する自筆証書遺言の方式と

証人立会いのうえで遺言者が遺言内容を公証人に口頭で伝え、その内容を公正証書に記載して作成する公正証書遺言の方式とがあります。

自筆証書遺言

メリット

  • 自ら作成するため、手数料等がかからない
  • 思い立ったらすぐ作成できる(内容が決まっていればその日のうちに作成可能)

デメリット

  • 法律の方式に従って作成する必要があるうえ、内容について法律的な観点からの検討が不足していると、方式・内容の点で無効となったり、意図した通りの遺言の効力が発生しない事がある
  • 紛失・変造・毀棄のおそれがある
  • 家庭裁判所での検認の必要がある

公正証書遺言

メリット

  • 公証人が作成するため、方式・内容の不備はなく、効力が問題となる危険性は少ない
  • 公正証書遺言の原本は公証役場で保管されるため、紛失・変造・毀棄のおそれはない

デメリット

  • 手数料、証人に対する報酬等がかかる
  • 自筆証書遺言に比べて作成に時間がかかる

以上の点からコストと時間がかかるものの、

遺言者の意思を確実に実現するためには公正証書遺言が優れています。

当事務所では公正証書遺言の作成をお勧めしております。


遺留分について

趣旨

本来、被相続人は遺言等により自己の財産を自由に処分する事ができます。

 

しかし、相続制度の有する「遺族の生活保障・財産形成に貢献した者の潜在的な持分の清算」という機能に鑑みると、相続財産を一定の割合で留保する必要があります。

 

そこで、「被相続人の財産を自由に処分する自由」と「相続人の保護」の調和の観点から遺留分の制度、すなわち

 

相続財産を一定割合、一定の範囲の相続人に留保するという制度が設けられています。

権利者

兄弟姉妹を除いた法定相続人が遺留分権利者です。

割合

  • 相続人が直系尊属のみの場合→被相続人の財産の1/3
  • その他の場合       →被相続人の財産の1/2

具体例

遺産が1,200万円、相続人が被相続人の配偶者・子供2人の場合

それぞれの遺留分額は

 

配偶者  1,200×1/2(遺留分割合)×1/2(配偶者の相続分) =300万円

子供   1,200×1/2(遺留分割合)×1/4(子2人の各相続分)=各150万円

 

となります。