「財産分与」とは婚姻中に夫婦の協力により取得した財産の清算であり、
「慰謝料」とは精神的損害についての賠償であるため、
両者は別個のものです。
しかし、実際には慰謝料の要素を含めて財産分与がなされる事もあります。
従って、両者を特に区別せずに請求してもかまいませんし
明確に分けて考えてもかまいません。
離婚により取得した財産・慰謝料に贈与税・所得税はかかりません。
もっとも、取得した財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮してもなお過当であると認められる場合における、過当である部分又は離婚を手段として贈与税若しくは相続税のほ脱を図ると認められる場合における当該離婚により取得した財産の価格は、贈与によって取得した財産となります(相続税法基本通達9条98)
財産分与をする側については、譲渡する資産の譲渡時の価格が取得時の価格を上回っているときに、増加分について譲渡所得税が課せられます(ただし、特別控除の制度があります)
このことを知らずに財産分与の合意をしたときは、錯誤無効になることもあり得ます(最高裁判決・平成元・9・14家裁月報41・11・75)
財産分与に車が含まれる場合、諸々の手続が必要となります。
離婚に伴い、自動車の保有者が変わり
使用の本拠の位置(一般的には住所)が
変更になった場合には、車庫証明が必要となります。
また、車の名義を変更する際には車検証の記載から
所有者と使用者が同一か確認する事が必要です。
ローンを完済しても、自動的に所有者として記載される訳ではありませんので
名義変更前に所有権解除手続をカーディーラー等と行なう必要があります。
さらに、自賠責保険の名義を車の譲渡人から譲受人に変更する為に
自賠責保険の権利譲渡手続が必要となります。
財産分与の対象となった車の経過年数によっては自動車取得税が
譲渡時期によっては自動車税の納付義務が直ちに生じる場合もあります。
上記手続につきましても、離婚協議書作成支援と併せて手続を代行いたしますのでご安心下さい。